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経理担当を1人雇う vs 経理代行|「本当のコスト」を並べて比較した

経理担当を1人雇う vs 経理代行|「本当のコスト」を並べて比較した
目次
  1. 経理担当を1人雇う「見えないコスト」を分解する
  2. 経理代行(月5万円〜)と並べて比較する
  3. 経理代行の本当の価値は「辞めない・属人化しない」
  4. どちらが向いている会社か
  5. まとめ:額面ではなく「総コスト」で比べる

「そろそろ経理を1人雇おうか」と考え始めたとき、頭に浮かぶのはたいてい月給の数字だけです。月25万円くらいかな、年間で300万円くらいか——と。

でも実際に採用してみると、出ていくお金は月給の数字では収まりません。社会保険、賞与、採用にかかった費用、教育の時間、有給や急な欠勤、そして辞めたときの引継ぎ。これらは求人票には載らないコストです。

この記事では、経理担当を1人採用する「本当のコスト」を一度ぜんぶ並べてみて、外注(経理代行)と正直に比較します。どちらが優れているという話ではなく、「自分の会社はどちらが向いているか」を判断できるようにするのが目的です。

なお、ここで挙げる金額はすべて一般的な概算・一例です。給与水準や雇用条件、地域によって大きく変わるので、最終的にはご自身の数字で計算してください。

経理担当を1人雇う「見えないコスト」を分解する

求人票に書く月給を仮に「月25万円」とします。これを起点に、実際に発生するコストを足していきます。

1. 月給だけでは終わらない「人を雇うコスト」

人を1人雇うと、会社は給与のほかに法定福利費(社会保険料の会社負担分)を払います。健康保険・厚生年金・雇用保険・労災などの会社負担分は、ざっくり給与の15%前後が一つの目安とされています(料率は年度や地域で変わります)。

月給25万円なら、会社負担はおおよそ月3.7万円ほど。年間にすると約45万円が、給与とは別に出ていく計算です。

さらに、

  • 賞与(ボーナス):年2回・計2〜3ヶ月分を出す会社なら、年50〜75万円程度
  • 通勤手当・各種手当
  • 退職金の引当(制度がある場合)

これらを足していくと、「月25万円の人」の年間コストは、給与の額面を1.3〜1.5倍ほど上回ることが多い、というのが一般的な感覚です。

2. 採用にかかる費用

そもそも採用するまでにもお金がかかります。

  • 求人媒体への掲載費、または人材紹介の成功報酬(理論年収の30〜35%が相場とされることが多い)
  • 面接にかかる経営者・既存社員の時間
  • 入社後の備品(PC・ソフトのライセンスなど)

経理という専門職は、未経験者よりも経験者を採りたくなる職種です。経験者を人材紹介で採ると、紹介手数料だけで数十万〜100万円規模になることもあります。

3. 教育と立ち上がりの時間

入社初日から会社の経理が回るわけではありません。

  • 自社の勘定科目・取引先・締めのルールを覚えてもらう
  • 使っている会計ソフトや銀行・カードの運用に慣れてもらう
  • 最初の数ヶ月は、経営者や前任者がチェック・フォローに入る

この立ち上がり期間の生産性ロスは数字に出にくいのですが、確実に存在するコストです。

4. 有給・欠勤・繁忙期の偏り

1人経理の弱点は「その人が休むと止まる」ことです。

  • 有給休暇、急な体調不良
  • 月初の締めに業務が集中し、繁忙期は残業、閑散期は手が空く
  • 一方で、暇な月でも給与は固定でかかる

仕事量に波があっても、人件費は一定——これが固定費としての雇用の特徴です。

5. 退職と引継ぎのリスク(いちばん怖いところ)

そして最大のリスクが属人化です。経理を1人に任せると、その人が辞めるときに、

  • 何がどこまで処理されているか、本人しか分からない
  • 引継ぎ資料が整っておらず、引継ぎに数ヶ月かかる
  • 次の人が決まるまで、経理が宙に浮く

経理は会社のお金そのものを扱う部署なので、ここが止まると影響が一気に広がります。「辞められて初めて、どれだけ依存していたか分かった」という声は珍しくありません。

経理代行(月5万円〜)と並べて比較する

ここまでの「見えないコスト」を、経理代行と表で並べてみます。金額はあくまで一例・概算です。

項目経理担当を1人採用経理代行(シメゴ)
月々の支払い月給(例:月25万円〜)月5万円〜
社会保険(会社負担)給与の15%前後が別途必要なし(外注費のみ)
賞与・退職金年50〜75万円程度の上乗せもなし
採用費媒体費・紹介手数料が都度発生なし
教育・立ち上がり数ヶ月のフォローが必要不要(最初から実務を巻き取る)
休んだとき業務が止まるチームで対応・止まらない
退職・引継ぎ属人化・引継ぎリスク大担当が変わっても継続
仕事量の波暇でも固定費業務量に応じた契約に調整しやすい

数字だけを単純に並べれば、「月25万円+付帯コスト」と「月5万円〜」では差が大きく見えます。ただし、これは業務量や求める範囲によって変わります。フルタイムの経理担当が必要なほど取引量が多い会社では、外注の月額も上がりますし、逆に内製の方が合うケースもあります。大事なのは額面ではなく、自社にとっての総コストで比べることです。

経理代行の本当の価値は「辞めない・属人化しない」

コスト差以上に効いてくるのが、継続性です。

シメゴは、

  • 記帳から月次レポートまで丸ごと代行します
  • クラウド会計の自動連携で下準備を進め、会計の実務経験者が確認する設計で、速さと正確さの両立をねらいます
  • 毎月5営業日で締めることを目安にしています(業務量や資料の提出状況により前後します)
  • 担当者の退職に左右されません。1人に依存しないので、経理が止まりません

「1人経理が辞めてしまった」「採用してもすぐ辞めて、また探すところからになる」——こうした採用の不安定さそのものを引き受けるのが、外注のいちばんの価値です。会社の経理が人の出入りで揺れなくなること。これは月額の数字には表れにくい安心です。

どちらが向いている会社か

正直に言うと、全社に経理代行が向いているわけではありません。

採用(内製)が向いているケース

  • 取引量が多く、ほぼ毎日フルタイムで経理業務がある
  • 経理に会社固有の複雑な判断が頻繁に発生する
  • 将来的に経理・財務部門を社内で育てて拡大したい
  • 機密性が非常に高く、社内に置きたい強い理由がある

なお、ここでの「機密」は社外に出したくない情報のことです。役員報酬や個人別の給与のように、社内の特定の人に見せたくない数字の場合は話が逆になり、計算を外に出したほうが守りやすいことがあります。その条件は役員報酬や個人別の給与を、社内の経理に見せたくないときに整理しました。

経理代行が向いているケース

  • 経理が月の一部の時間で足りる規模(個人事業主〜中小企業)
  • 1人経理の属人化・退職リスクを避けたい
  • 採用・教育に時間とコストをかけたくない
  • 本業に集中したく、バックオフィスは固定費を抑えて回したい

迷ったときの考え方はシンプルです。「フルタイム1人分の仕事が、本当に毎月あるか」。もし無いなら、固定で1人雇うより、必要な分だけ外に出すほうが、コストもリスクも軽くなることが多いです。

この「毎月あるか」が、そもそも読めない会社もあります。新しく作った子会社や、分社したばかりの会社です。設立1年目は取引量の見通しが立たないため、人を採ると立ち上がりが遅れた分だけ手が空き、採らないと帳簿が止まります。この場合は採用か代行かの2択ではなく、親会社の経理が見る・子会社に人を置く・最初から外に出すの3択になります。並べ方は子会社を新しく作ったとき、経理は最初から外に出すか|親会社が見る・人を置く・外に出すの3択を、設立1年目で決めるに書きました。

なお、金額を並べる前に「そもそも動くべき状態なのか」を確かめたい場合は、経理アウトソーシングを入れる基準に、仕訳件数・試算表が出るまでの日数・経理を触れる人数など5つの数字で判定する方法を書いています。該当が少なければ、採用も外注も急ぐ必要はありません。

そしてもう一点。代行に出すと決めたあと、いちばん多く止まるのは社内です。すでに経理担当者がいる会社では、「自分の仕事が無くなるのではないか」という受け取られ方をしがちで、ここを飛ばして契約まで進めると、移行の初月に必ず割れます。外注は解雇の理由にはなりません(労働契約法第16条)が、そのことは現担当者には伝わっていません。反対の中身を3つに割る方法と、誰にどの順で伝えるかは経理を外に出すと決めたあと、社内をどう通すか|現担当者への伝え方と、反対の中身の見分け方にまとめました。

まとめ:額面ではなく「総コスト」で比べる

経理担当を1人雇うコストは、月給だけを見ると安く見えます。けれど実際には、社会保険・賞与・採用費・教育・有給・引継ぎリスクまでが乗ってきます。経理代行と比べるときは、月給 vs 月額ではなく、総コストと継続性で並べてください。

そのうえで「うちはどっちが安く・安定するんだろう」と気になったら、まずは自社の数字で試算してみるのがおすすめです。

シメゴでは、いまの経理にかかっている時間・人件費をもとに、採用した場合と代行した場合のコストを並べてお見せする「無料コスト診断」をご用意しています。比較材料の一つとして、気軽に使ってみてください。

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採用コスト等の金額は一般的な概算・一例であり、給与水準や雇用条件により異なります。

浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。専門は経営管理改革とSAP財務会計(FI)。直近はSAP導入プロジェクトのPMとして、50名超のチームを率い、経理部門約30名のメンバーをまとめました。経理代行「シメゴ」を設計・運営しています。

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