シメゴ経理代行 by Never Red無料相談

経理のコスト削減|削る順番を間違えなければ、下がる

キーワード: 経理 コスト削減 | シメゴ(運営: Never Red株式会社)

「経理のコストを下げたい」というご相談をいただいたとき、私が最初にお願いしているのは「今いくらかかっていますか」という質問です。ほとんどの会社が、この場で答えられません。担当者の給与は分かるのですが、それ以外が出てこない。

そして経理のコストは、たいてい給与以外の場所で膨らんでいます。だから給与だけを見て「人を減らす」「外に出す」と決めると、思ったほど下がらないか、下がったように見えて別の場所に移っているだけになります。

この記事は経理にかかっている費用そのものを下げたい方に向けて書いています。作業時間を短くしたい、締めを早くしたいという話が主目的なら経理業務の効率化のほうが近い内容です。両者は重なりますが、手をつける順番が変わります。

まず、経理のコストを全部出す

削る前に、何にいくら払っているかを一枚に並べます。ここを飛ばして打ち手の話から入ると、削りやすいところだけ削って終わります。

費目見えているか見落としやすい点
経理担当者の給与見えている経理以外の仕事も兼務している場合、全額を経理コストに乗せると過大になる
社会保険の会社負担見落としやすい給与のおよそ15%前後が上乗せされる。給与だけで比較すると、この分がまるごと抜ける
会計ソフト・周辺システム見えている経費精算、請求書発行、給与、電子帳簿の保存先。契約が分散していると合計を誰も見ていない
紙・郵送・保管見落としやすい請求書の封入と切手、保管の場所代。1件あたりは小さいが、件数に比例して増える
顧問税理士の報酬見えている記帳をどこまで含むかで金額が変わる。範囲が曖昧なまま更新され続けていることがある
経理以外の部署が使っている時間ほぼ見えていない領収書を探す、差し戻しに対応する、資料を出す時間。ここが最大の隠れコストになりがち
手戻りとミスの後始末ほぼ見えていない振込の訂正、再発行、消込のずれ調査。時間だけでなく、社外への謝罪も発生する
止まったときの損失見えていない担当者1名体制で、その人が休んだ月に何が起きるか。発生していないだけで、コストは潜在している

この表を作ると、多くの会社で下から3つの合計が、いちばん上の給与に匹敵することが分かります。経理部門の中だけを見て削ろうとしていた会社ほど、この結果に驚かれます。

削る打ち手は、効く順に4つ

コスト削減の打ち手は、私は次の4つに整理しています。この順番に意味があります。上から順に効き、上から順に戻りにくいからです。

  1. やめる:その作業自体を廃止する
  2. 減らす:件数・回数を減らす
  3. 変える:やり方を変える(紙をデータに、手入力を連携に)
  4. 移す:誰がやるかを変える(外に出す、自動化する)

そして実際の現場では、ほとんどの会社が4番から入ります。「外注すればいくら下がるか」「ツールを入れればいくら下がるか」。分かりやすく、稟議も通しやすいからです。

ただ、4番から入るとやめてよかった作業まで、そのまま外に出したり自動化したりすることになります。誰も見ていない資料を、きれいに自動生成し続ける仕組みができあがる。これは削減ではなく、無駄の固定化です。

1|やめる:誰も見ていない資料を探す

いちばん効くのに、いちばん手をつけられていません。経理が毎月作っている資料のうち、先月それを開いた人が誰かを、一つずつ確認してください。答えられない資料が必ず数点出てきます。

過去に役員が求めた集計、担当者が自分の確認用に作り始めて定例化したチェック表、システム移行前の名残で残っている二重管理。作った理由を覚えている人が社内にいない資料は、廃止の候補です。

ここは費用が1円も増えずに時間だけが返ってくるので、最初にやってください。経理業務の一覧を使って、行ごとに「先月これを見た人」を書き込んでいくのが早いです。

2|減らす:件数そのものを落とす

経理のコストは、作業の難しさよりも件数に比例します。だから件数を減らす打ち手は、そのまま効きます。

3|変える:手入力が残っている場所を潰す

ここでようやくツールの話になります。ポイントは、入力しているところではなく、二度入力しているところを探すことです。

銀行明細を見ながら会計ソフトに打ち込んでいる、請求管理の表と会計ソフトに同じ数字を入れている、給与計算の結果を仕訳として手で起こしている。この重複を連携で消すと、時間だけでなく照合のズレを調べる時間も一緒に消えます。手戻りが減る効果のほうが大きいことも多いです。

やり方はクラウド会計経理のDXに整理しています。ここで注意したいのは、ツールを増やすと固定費も増えることです。月額が積み上がって、削減した人件費を食っている会社は珍しくありません。導入する前に、消える作業時間を先に見積もってください。

4|移す:ここまでやってから、誰がやるかを決める

1〜3をやると、残る作業はかなり絞れています。その状態で外に出すと、委託の見積もりも下がります。経理代行の料金は処理量で決まるので、件数を減らしてから見積もりを取るほうが、当然安く出ます。

順番を逆にして、今の件数のまま相見積もりを取り、そこから値引き交渉をする会社が多いのですが、削るべきは単価ではなく量です。料金の決まり方は経理代行の料金相場にまとめました。

削ってはいけないコスト3つ

削減の相談で、私が止めることがあるのはこの3つです。短期では確かに費用が下がりますが、あとで高くつきます。

削りたくなるもの削ると起きること代わりにできること
承認の分離(作る人と承認する人を分ける)1人で支払データを作り、そのまま実行できる状態になる。金額の大小に関わらず、事故が起きたときに気づく仕組みが無くなる作成は外に出し、実行の承認だけ社内に残す。人数は増やさずに分離できる
バックアップ人員(もう1人が分かる状態)担当者が休んだ月に締めが止まる。復旧のために外部へ緊急依頼すると、通常の何倍もの費用になる経理マニュアルで手順と判断の理由を残し、月1回だけ別の人が回す日を作る
月次の締め(間隔を空ける、精度を落とす)数字が出るのが遅れ、経営判断が遅れる。異常値の発見も遅れ、気づいたときには数か月分たまっている速報と確定を分ける。精度を落とすのではなく、早く出す範囲を絞る

共通しているのは、「今は何も起きていないので、必要性が見えない」費用だということです。だから削減対象に上がりやすい。ここを削ると、平常時は何も変わらず、事故が起きた月にまとめて返ってきます。

測り方:総額ではなく、1件あたりで見る

削減の効果を「月◯万円下がった」で見ていると、事業が伸びたときに評価できなくなります。取引が増えれば経理コストは増えるからです。そこで私がお勧めしているのが、件数で割るやり方です。

この数字で見ると、「総額は増えたが、単価は下がった」という正しい評価ができます。逆に、総額が横ばいでも単価が上がっていれば、処理が重くなっているサインです。手の打ちどころは、たいてい単価が上がった行にあります。

最初の1回は、正確に出そうとしなくて構いません。仕訳件数は会計ソフトから出ますし、時間は担当者の感覚値で十分です。毎月同じやり方で測り続けることのほうが、初回の精度より大事です。

やってはいけない削り方

最後に、実際に見てきた失敗を挙げます。どれも、短期の数字は確かに良くなります。

シメゴの考え方:まず件数を減らしてから、見積もりを取ってほしい

経理代行をやっている立場からすると、件数を減らしてから相談されるほど、私たちの受注金額は下がります。それでも先に減らしてくださいと言っているのは、減らさないまま預かった会社ほど、数年後に「何にいくら払っているか分からない」状態になるのを見てきたからです。

コストが下がった実感が続くのは、量が減った会社です。単価を叩いて下げた会社は、翌年また同じ相談をされます。削減は交渉ではなく、設計です

私たちが最初にお渡ししているのは見積書ではなく、行ごとの現状表です。今どの行に、月どれだけの時間と費用がかかっているか。そのうちやめられる行・減らせる行・外に出したほうが安い行を分けたうえで、外に出す部分だけを見積もります。結果として、丸ごと預かる前提の見積もりより安くなることがほとんどです。

丸ごと外に出す場合との比較は経理アウトソーシングのメリット・デメリット、社内に戻す方向で考えている方は経理の内製化もあわせてご覧ください。

まとめ

経理のコスト削減は、削る順番でほぼ決まります。やめる・減らす・変える・移す。この順で手をつけると、上の段階で消えた作業には二度と費用がかかりません。逆に「誰がやるか」から入ると、残すべきでない作業まで一緒に運ぶことになります。

そして、承認の分離・バックアップ人員・月次の締めの3つは削らないでください。この3つは、削っても平常時は何も起きません。起きたときにまとめて返ってきます。

今かかっている費用の内訳が出せない、どの行から減らせるか分からない。その状態からで構いません。無料コスト診断で現在の体制と件数を伺い、行ごとの現状表と、減らせる順番をお作りします。見積もりはそのあとで大丈夫です。

記帳〜月次レポートを月5万円から。まず「減らせる行」から一緒に洗い出します。

いまの経理体制と外注コスト、一度比べてみませんか。

無料コスト診断を受ける →

※本記事は一般的な実務の整理であり、個別の税務判断や、特定の体制・契約内容の適合性を保証するものではありません。記載した金額・比率は目安であり、処理量・地域・契約条件によって変わります。決算・申告に関する最終的な判断は顧問税理士に、雇用契約や社会保険に関することは社会保険労務士等の専門家にご相談ください。