経理の丸投げ|任せられる範囲・費用・会社に残る3つの判断

この記事の要点
- 経理の丸投げで手放せるのは、記帳や請求書発行などの手間です。支払の承認、取引の事実を伝えること、最終の責任の3つは会社に残ります。
- 丸投げ先は記帳代行、税理士、経理代行の3つで、頼める範囲と、申告まで頼めるかが違います。
- 費用は、仕訳の数と任せる業務の範囲で決まります。シメゴは月5万円からの3プランです。
経理は丸投げできるか
先に結論を書きます。日々の経理の作業は、ほとんど外に出せます。領収書の入力、毎月の記帳、請求書の発行、入金の確認、振込の準備は、どれも外の人が代わりにできる仕事です。
ただ、会社の関与がゼロになることはありません。丸投げしても、会社には3つの判断が残ります。支払を承認すること、取引の事実を伝えること、帳簿と申告について最終の責任を負うことです。この記事では、任せられる範囲と会社に残る範囲、丸投げ先ごとの違い、費用の順に書いていきます。
手放せるのは手間、残るのは判断
丸投げを「作業の手間を外に出し、判断だけを会社に残すこと」と読み替えると、頼む前の期待と、頼んだあとの現実が食い違いません。
図1 丸投げできる業務と、会社に残る3つの判断
作業の手間
3つの判断
外に出せるのは左の列の作業で、右の列の3つは誰に頼んでも会社に残る。
丸投げできる業務
ここからは、経理代行「シメゴ」の業務を例に、外に出せる作業を2つに分けて書きます。どこまで頼めるかはプランごとに決まっています。
記帳・月次レポート
記帳は、領収書・通帳・請求書といった証憑をもとに、取引を会計ソフトへ入力して帳簿を作る作業です。
シメゴは、領収書・通帳・請求書をお預かりして仕訳まで代行し、月初から5営業日で締めて月次レポートを納品します。紙の領収書は、スキャンか撮影で共有していただければ足ります。会計ソフトはfreeeとマネーフォワードに対応しています。記帳と月次レポートは、ライト・スタンダード・フルの3つのプランすべてに入っています。
請求書発行・入金消込・支払管理
お金の出入りに関わる作業も外に出せます。請求書の発行、売掛金の入金消込、支払の振込データの作成です。シメゴでは、スタンダードとフルに含まれます。給与計算はスタンダードではオプション、フルでは20名までが月額に入ります。
支払管理で当社が作るのは振込データまでです。そのデータを見て振込を承認するのは会社で、この線が次の節の1つめにつながります。
労務や総務まで外に出したい場合は、バックオフィス代行|外注できる業務・費用の考え方・出す順番に、出す順番をまとめています。
会社に残る3つの判断
丸投げしても、次の3つは会社に残ります。頼み先が頼りないから残るわけではありません。どれも、会社の中の人しか持っていない権限や情報です。
支払の承認
振込データを作るところまでは外に出せます。その金額をその相手に払うと決めるのは会社です。お金は会社の口座から出ていくので、払ってよいかどうかを最後に見る人は社内に置きます。
データを作る人と承認する人が別であること自体が、誤りと不正を防ぐ仕組みになります。承認まで外に渡してしまうと、この仕組みがなくなります。
取引の事実を伝える
証憑だけでは分からない取引があります。振込名義だけでは何の代金か読み取れない入金、用途が書かれていない領収書、納品が済んだかどうか。こうした事実を知っているのは、取引をした会社の担当者だけです。
外の人は、渡された資料から帳簿を作ります。資料に書かれていないことは、聞かれたときに会社が答えるしかありません。答えが遅れれば、その分だけ月次の締めも遅れます。
最終の責任
帳簿を保存する義務と、申告する義務は、会社が負います。国税庁のタックスアンサーによると、法人は帳簿を備え付けて取引を記録し、その帳簿と書類を保存しなければなりません。保存する期間は、確定申告書の提出期限の翌日から7年間です(青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた場合などは10年間)。法人税の確定申告書は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に提出します。
記帳を外に出しても、申告書の作成を税理士に頼んでも、義務を負うのは会社のままです。数字の中身を聞かれたときに説明できる状態は、会社の側で保っておく必要があります。条文と公表資料を並べて確かめた内容は、経理を外に出しても、会社から消えない義務があるに書きました。自社のケースは顧問税理士にご確認ください。
誰に丸投げするか
丸投げ先は、記帳代行、税理士、経理代行の3つに分かれます。違いが出るのは、頼める範囲と、申告まで頼めるかどうかです。
表1 丸投げ先3つの比較
| 丸投げ先 | 頼める範囲 | 費用の決まり方 | 申告まで頼めるか |
|---|---|---|---|
| 記帳代行 | 仕訳の入力まで | 主に仕訳の数 | 税理士でない会社には頼めない |
| 税理士 | 税務申告と税務相談。付随して記帳も受けられる | 顧問料と決算の料金 | 頼める |
| 経理代行(シメゴの場合) | 記帳、月次レポート、請求書発行、入金消込、支払の振込データの作成、給与計算。プランで決まる | 仕訳の数とプラン | 当社は行わず、提携税理士が受け持つ |
記帳代行に丸投げする場合
記帳代行に丸投げできるのは、仕訳の入力までです。領収書と通帳を渡せば帳簿はできあがります。請求書の発行や支払の準備、月次レポートは、記帳だけの契約には入っていません。
記帳代行に丸投げしても、申告は付いてこない
税理士法は、税理士または税理士法人でない者が税理士業務を行うことを、同法に別段の定めがある場合を除いて禁じています(第52条)。税理士業務とは、他人の求めに応じて、税務代理、税務書類の作成、税務相談を業として行うことです。税理士でない記帳代行の会社に申告書の作成までは頼めないので、申告を誰に頼むかを別に決めておきます。
経理代行との範囲の違いは、経理代行と記帳代行の違い|頼める範囲・料金・向いている会社で比べています。
税理士に丸投げする場合
3つの丸投げ先のうち、申告まで頼めるのは税理士です。国税庁の「税理士制度のQ&A」によると、税理士は税理士業務に付随して、財務書類の作成や記帳の代行も行えます。記帳から決算、申告までを1つの事務所に頼む形が取れます。
確かめておきたいのは、日々の業務が顧問契約に入っているかどうかです。請求書の発行、入金の確認、支払の準備まで受けてもらえるかを、契約の前に聞いてください。税理士と経理代行の受け持ちの分け方は、経理代行と税理士の違い|業務の線引きと、両方に頼むときの分け方に書いています。
経理代行に丸投げする場合
経理代行に丸投げすると、記帳に加えて、請求・支払と月次の締めまでを1つの窓口に出せます。シメゴの場合、税務申告と税務相談は当社では行わず、提携税理士が担当します。顧問税理士がいる会社は、その先生のままで構いません。記帳と経理実務だけを当社が受け、税理士事務所への月次データの連携も当社が行います。
決算については、決算前の資料整備までが当社の範囲です。申告は税理士の仕事になります。
経理の丸投げにかかる費用
経理の丸投げにかかる費用は、仕訳の数と、任せる業務の範囲で決まります。シメゴの料金は次の3プランです。
表2 シメゴの料金(税別・月額)
| プラン | 月額 | 仕訳数の目安 | 含まれる業務 |
|---|---|---|---|
| ライト | 5万円 | 〜100仕訳 | 記帳・月次レポート(5営業日) |
| スタンダード | 10万円 | 〜300仕訳 | ライトの業務+請求書発行・入金消込、支払管理(振込データ作成)。給与計算はオプション |
| フル | 15万円 | 〜600仕訳 | スタンダードの業務+給与計算(〜20名)、資金繰り表・経営ダッシュボード |
初月のみ、導入設定費が5万円かかります。クラウド会計の新規導入を伴う場合は10万円です。契約は6か月からで、仕訳数がプランの目安を超えた分は従量でのご請求になります。
比べる相手として、経理担当を1人採用した場合の概算も置いておきます。給与が約25万円、社会保険の会社負担が約3.8万円、賞与の月割りが約4万円で、月およそ33万円です。給与は経験者の一例で、目安として見てください。相場は、記帳代行や税理士の料金も含めて経理代行の料金相場と料金表|月額が決まる要素と見積もりの比べ方にまとめました。
自社の仕訳の数が分からなくても構いません。無料の経理コスト診断で仕訳量を拝見し、合うプランをご提案します。
丸投げしたあとの1か月の流れ
シメゴに記帳と月次レポートを任せた場合、毎月、月初に資料を共有していただき、そこからの5営業日は次の5つの手順で進みます。
図2 月初に資料を共有してから、月次レポートが届くまで
- 1資料の共有月初に、会社が領収書・通帳・請求書を共有する
- 2記帳の確定シメゴが仕訳を入力する
- 3残高の照合帳簿の残高を確かめる
- 4レポートの作成月次の数字を1つにまとめる
- 5納品月初から5営業日で、月次レポートが会社に届く
会社が手を動かすのは最初の資料の共有で、あとは質問に答える。
会社の作業は、月初に資料を共有するところから始まります。途中で、何の代金か分からない取引について質問が来たら答えます。スタンダードとフルでは、当社が作った振込データを見て、支払を承認していただきます。
届いた月次レポートを読むのは社長の仕事です。入力に使っていた時間を、数字を読む時間に充てられます。
丸投げで失敗する会社
丸投げがうまくいかなくなるのは、会社の側で決めておくことが決まっていないときです。次の4つのどれかに当てはまる会社です。
- 資料を渡す日が決まっていない。月初に資料が出てこなければ、頼み先は記帳を始められず、締めはその分遅れます。
- 支払を承認する人が決まっていない。振込データができても、見る人がいなければ支払は止まります。
- 質問に答える担当者がいない。分からない取引が残ったままでは、帳簿は確定しません。
- 申告まで頼んだつもりでいる。税理士でない会社に記帳を丸投げしただけでは、申告を受け持つ人が決まっていません。
4つとも、契約の前に決めておけることです。資料を出す日、承認する人、質問に答える人、申告を受け持つ税理士。この4つを先に決めてから頼み先を選ぶ順番を、私はおすすめします。社内に誰を残すかは経理を外に出したあと、社内に誰を残すかに、外注全体の進め方は経理の外注|任せられる業務・費用の目安・外部委託の進め方に書きました。
この記事のまとめ
- 経理の丸投げで手放せるのは、記帳・月次レポート・請求書発行・入金消込・支払の振込データ作成といった作業の手間。
- 会社に残るのは、支払の承認、取引の事実を伝えること、帳簿の保存と申告についての最終の責任。
- 3つの丸投げ先のうち、申告まで頼めるのは税理士。記帳代行や経理代行に丸投げするときは、申告を誰が受け持つかを先に決める。
- シメゴの費用は月5万円・10万円・15万円の3プランで、初月のみ導入設定費がかかる。
よくある質問
- 領収書を送るだけでよいですか
記帳は、領収書・通帳・請求書を共有していただければ進みます。紙の領収書はスキャンか撮影で構いません。ただし、何の支払か資料から読み取れない取引は、質問にお答えいただく必要があります。支払の承認も会社に残ります。
- 税理士に丸投げするのと何が違いますか
税理士には、申告と税務相談まで頼めます。シメゴのような経理代行は申告を行わず、記帳から月次レポート、請求・支払の実務を受け持ちます。顧問税理士はそのままで、経理実務だけを当社にお任せいただく形も取れます。
- 経理の丸投げの費用はいくらですか
シメゴは、ライトが月5万円、スタンダードが月10万円、フルが月15万円です(税別)。初月のみ導入設定費5万円がかかり、クラウド会計の新規導入を伴う場合は10万円です。契約は6か月からです。
- 電子帳簿保存法の対応も任せられますか
シメゴは、電子帳簿保存法に沿った保存ルールの整備もあわせて行います。データを保存する義務を負うのは会社です。自社のケースは顧問税理士にご確認ください。
参考資料
- 国税庁 タックスアンサー No.5930「帳簿書類等の保存期間」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm - 国税庁「C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/01.htm - 国税庁「税理士制度のQ&A」2 税理士の業務(問2-1、問2-3)
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/02.htm - 国税庁「税理士制度のQ&A」6 税理士法違反行為(問6-1)
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/06.htm - 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm
シメゴの料金と業務の範囲は、shimego.jp の記載によります。最終確認:2026年10月1日
※本記事は、記載時点での一般的な整理であり、個別の事案について法的・税務上の判断を示すものではありません。当社では税務代理・税務書類の作成・税務相談は行いません。
