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経理の外注|任せられる業務・費用の比べ方と、丸投げで失敗しないための移行手順

キーワード: 経理 外注 | シメゴ(運営: Never Red株式会社)

「経理を外注したい」。そう相談されたとき、私が最初に確認するのは「なぜ、いま外注なのか」です。担当が辞めそう、採用が続かない、社長が記帳や振込に追われている——きっかけによって、外注の設計はまるで変わります。理由が曖昧なまま出すと、外注してもラクにならず、むしろ「頼んだのに社内が忙しいまま」という状態になりがちです。

この記事では、経理を外注すべきか迷ったときの判断軸を、外注を考えるべきサイン・任せられる業務と社内に残す業務・費用の比べ方・そして丸投げで失敗しないための移行手順まで、中小企業の目線で整理します。「経理外注とは何か」という定義よりも、出すか出さないか、どう出すかに踏み込みます。

経理を外注する、とはどういうことか

経理の外注とは、これまで社内でやっていた経理の一部または全部を、外部の事業者に継続的に任せることです。年に一度の決算だけを頼むスポット依頼とは違い、日次・月次の処理を毎月まわしてもらう形が中心になります。

「経理代行」「経理アウトソーシング」とほぼ同じ意味で使われる言葉ですが、この記事では、それらの定義そのものより「自社の経理を外に出す判断と移行」にフォーカスします。言葉の違いや基本のしくみを先に押さえたい方は、経理アウトソーシングとは経理代行とはを先に読んでいただくと、この先が理解しやすくなります。

こういうサインが出たら、外注を考えていい

外注は「なんとなく面倒だから」で始めると、たいてい続きません。逆に、次のようなサインが出ているなら、外注を前向きに検討していい状態です。

サイン起きている背景外注で解けるか
経理が一人に集中し、辞めたら止まる手順が本人の頭の中だけにある(属人化)解ける。処理を外に移し、手順を型にできる
採用しても続かない・そもそも採れない経理人材の採用難と、少人数ゆえの負荷解ける。採用の代わりに体制を借りられる
社長・役員が記帳や振込に時間を取られている本来やるべき仕事に時間が回っていない解ける。処理を手放し、判断に集中できる
月次が締まるのが遅い、締まっていない日次の処理が溜まり、数字が後手に回る解ける。締めを外に出すと速度が安定する

共通しているのは、「処理に追われて、判断にたどり着けていない」という構図です。経理は毎日発生する処理の量が多く、放っておくと社長や担当の時間をどんどん食っていきます。外注は、その処理を切り離すための手段です。

何を外注できて、何を社内に残すか

外注を考えるとき、いちばん誤解されるのが「全部まとめて出せる」という思い込みです。実際には、外に出せる仕事と、社内に残すべき仕事がはっきり分かれます。判断軸はシンプルで、「その仕事に、自社固有の判断が要るか」です。

業務外注のしやすさ理由
証憑整理・記帳高いルールが決まれば、誰がやっても同じ結果になる
残高照合・試算表高い手順が明確。むしろ専門家のほうが速い
請求書発行・経費精算高い定型的で、判断の余地が小さい
給与計算中〜高定型だが、社内の人事情報との連携が要る
月次レポートの作成高い数字をまとめる作業は型にできる
支払いの承認・実行低いお金を動かす最終判断は社内に残す
数字を読んでの経営判断低いこれは経営そのもの。外には出せない
税務申告税理士の領域独占業務のため、経理の外注では担えない

まとめると、「集める・記帳する・合わせる・まとめる」は外に出せる。「承認する・判断する」は社内に残す。この線引きが基本です。とくに税務申告は税理士の独占業務なので、経理を外注しても申告そのものは代行できません。決算や申告は顧問税理士と連携する前提になります。

費用は「外注費」だけで比べない

外注を検討するとき、多くの会社が「月いくらの外注費か」だけを見ます。ですが、それだけでは判断を誤ります。比べる相手は、「同じ仕事を社内でやったときの本当のコスト」だからです。

社内でやる場合、見えている給与のほかに、次のコストが乗っています。

外注費は月額でくっきり見えるので割高に感じやすい。一方、社内コストは見えにくく、つい過小評価されます。正しい物差しは、「同じ品質・同じスピードを社内で維持するのに、実際いくらかかるか」です。料金の目安そのものは経理代行の料金相場にまとめているので、社内コストと並べて比べてみてください。

外注でよくある3つの失敗

外注そのものが失敗なのではなく、出し方を間違えると失敗します。現場でよく見る3つのパターンを挙げます。

1. 丸投げして、中身がブラックボックスになる

「全部お任せ」で渡した結果、自社の数字がどう作られているか誰も分からなくなる。これがいちばん危険です。外注しても、数字は自社のもの。中身が見える形で任せることが前提です。

2. 資料が揃わず、外注先が動けない

領収書や請求書、通帳データが社内でバラバラのままだと、外注先は手を動かせません。結局、資料をまとめる社内の手間は減らず、「頼んだのに忙しい」状態になります。

3. 引き継ぎ不全で、最初の数ヶ月が混乱する

これまでのやり方を渡しきれないまま切り替えると、最初の月次でつまずきます。移行には助走期間が要るという前提を持っておくことが大事です。

失敗しない移行の手順

3つの失敗は、いずれも移行の設計で防げます。順番はこうです。

ステップ1:現状を棚卸しする

まず、いまの経理を「誰が・いつ・何を・何分かけて」やっているかを書き出します。ここを飛ばすと、何を出すべきかが決まりません。棚卸しの作り方は経理を丸投げできる範囲でも触れています。

ステップ2:出す範囲と残す範囲を決める

先ほどの線引き(処理は出す・承認と判断は残す)に沿って、境界を引きます。最初から全部出すより、記帳と月次から始めて、様子を見て広げるほうが安全です。

ステップ3:資料の渡し方とデータの置き場所を先に決める

「どの資料を、いつ、どこに置くか」を決めておくと、外注先がすぐ動けます。クラウド会計やオンラインストレージを共有の置き場にすると、やり取りが一気にスムーズになります。

ステップ4:最初の1〜2ヶ月は並走する

いきなり手を離さず、最初の月次は一緒に回して、抜け漏れを潰します。ここで型が固まれば、あとは安定します。

外注は「任せて終わり」ではなく、「任せる仕組みを作ること」です。棚卸し・線引き・資料の置き場・並走。この4つを設計すれば、丸投げにも、ブラックボックスにもなりません。

シメゴの考え方:処理を引き取り、判断を社長に残す

シメゴは、経理のうち日次の処理と月次の締めまでを代行する設計です。証憑の収集からクラウド会計での記帳、残高照合、月次レポートまでを担い、経営が読める数字を毎月お渡しします。目安として月次を5営業日で締める運用を前提にしていますが(取引量や資料の到着状況により前後します)、狙いはスピードそのものではなく、社長が処理から解放され、判断に時間を使える状態を作ることです。

そして、数字をブラックボックスにしません。何をどう記帳したかが見える形で毎月共有し、承認と支払いの実行は社内に残していただきます。決算・税務申告は税理士の領域なので、そこから先は顧問税理士と連携する形をとります。

まとめ

経理の外注は、サイン(属人化・採用難・社長の時間・月次の遅れ)→ 範囲(処理は出す、承認と判断は残す)→ 費用(外注費だけでなく社内の本当のコストと比べる)→ 移行(棚卸し・線引き・資料の置き場・並走)の順で考えると、判断を誤りません。

まずは、いまの経理を担当者と所要時間つきで書き出してみてください。「うちは何を出せて、何を残すべきか」。そう感じたら、無料コスト診断で、いまの業務の中身と任せられる範囲を一緒に見える化するところから始めてみませんか。

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