税理士と経理代行は何が違う?役割分担と「両方頼む」が正解な理由
# 税理士と経理代行は何が違う?役割分担と「両方頼む」が正解な理由
「税理士に毎月顧問料を払っているのに、なぜか日々の経理が全然回らない」。そう感じている経営者は少なくありません。領収書は溜まり、請求書の発行は後回しになり、月次の数字は四半期に一度しか見えてこない。
実はこれ、税理士に何かが足りないわけではありません。税理士と経理代行は、そもそも担う仕事が違うからです。この記事では、両者の役割の違いを整理し、なぜ「両方頼む」のがむしろ自然で合理的なのかを説明します。顧問税理士がいる前提で読んでいただいて構いません。
税理士にしかできない「独占業務」とは
まず押さえておきたいのは、税理士には法律で定められた独占業務があるということです。税理士法によって、次の3つは税理士(または税理士法人)だけが報酬を得て行えると定められています。
- 税務代理:申告や申請、税務調査の立ち会いなどを納税者に代わって行うこと
- 税務書類の作成:確定申告書や各種申告書を作成すること
- 税務相談:具体的な税額の計算や節税の判断について相談に応じること
これらは、税理士の資格を持たない人や会社が報酬を受けて行うことができません。経理代行会社も例外ではなく、ここには踏み込めません。
つまり、こういう仕事は税理士の領域
具体的には、法人税・消費税・所得税などの申告書の作成と提出、税額がいくらになるかという税金の計算、「この経費は損金になるか」「この処理は節税になるか」といった税務判断がこれにあたります。税務調査が入ったときの対応も同様です。
ここは専門資格に裏打ちされた、税理士の中核です。経営にとって最も間違えたくない領域でもあります。
経理代行が担う「日次・月次の経理」とは
一方で、会社の経理は申告だけで成り立っているわけではありません。むしろ日々の地道な作業が大半を占めます。経理代行が担うのは、この日次・月次の実務です。
- 記帳:日々の取引を会計ソフトに入力し、帳簿を整える
- 請求業務:請求書の発行、入金の消し込み、未入金の把握
- 支払業務:仕入や経費の支払いデータ作成、振込準備
- 月次レポート:毎月の試算表や資金の動きを経営者にわかる形でまとめる
シメゴのような経理代行サービスは、こうした作業を会社に代わって回します。料金はサービスや業務量にもよりますが、月5万円程度からが一つの目安です(業務範囲によって変わるため、保証する金額ではありません)。
大事なのは「税務はしない」と決まっていること
ここで誤解のないように書いておきます。経理代行は、先に挙げた税理士の独占業務には踏み込みません。記帳や請求の整理はしますが、税額を計算したり、申告書を作って提出したり、節税の判断を相談に応じたりはしません。
シメゴも同じです。日次・月次の経理を回す一方で、申告や税務相談は提携する税理士と役割を分けて進めます。「経理代行が税理士の代わりになる」という話ではない、という点だけは正しく理解しておいてください。
税理士と経理代行の違いを整理する
言葉だけだと混ざりやすいので、表で整理します。
| 項目 | 税理士 | 経理代行 |
|---|---|---|
| 申告書の作成・提出 | ○(独占業務) | ×(できない) |
| 税額計算・節税の判断 | ○(独占業務) | ×(できない) |
| 税務相談・税務調査対応 | ○(独占業務) | ×(できない) |
| 日々の記帳 | 対応する場合もある | ○(中心業務) |
| 請求・入金管理 | 一般に対象外 | ○ |
| 支払いデータ作成 | 一般に対象外 | ○ |
| 月次レポート | 顧問内容による | ○ |
ざっくり言うと、税理士は「税金まわりの専門家」、経理代行は「日々の経理の実働部隊」です。守備範囲が違うので、どちらかがどちらかの完全な代わりにはなりません。
「税理士に頼んでいるのに経理が回らない」理由
冒頭の悩みに戻ります。税理士の顧問契約は、多くの場合申告と決算、税務相談が中心です。日々の記帳や請求・支払いまで丸ごと面倒を見る契約になっていないことが多いのです。
もちろん記帳代行まで引き受ける税理士事務所もあります。ただ、税理士の本業は税務であり、毎日の細かな入力や請求書の発行を回し続けることは、必ずしも得意領域でも主戦場でもありません。だから「顧問税理士はいるのに、日々の経理は社長や経理担当が手作業で追われている」という状態が生まれます。
“両方頼む”役割分担が機能する理由
ここまで読むと、答えは見えてきます。税理士と経理代行は、競合ではなく分業の関係です。両方頼むのは贅沢ではなく、むしろ自然な形です。
理想的な流れはこうなります。
- 経理代行が日々の記帳・請求・支払いを回し、毎月きれいな帳簿を作る
- その整った帳簿を税理士に渡す
- 税理士がその数字をもとに、申告や税務判断という専門業務に集中する
この分担が成り立つと、経営者にとってのメリットは大きくなります。
- 数字が毎月見える:四半期に一度ではなく、月次で会社の状態がわかる
- 税理士の仕事の質が上がる:整った帳簿が前提なら、税理士は本来の専門業務に時間を使える
- 社長の手が空く:経理の作業から解放され、本業に集中できる
逆に、帳簿がぐちゃぐちゃのまま申告期だけ税理士に丸投げすると、税理士側で記帳の整理に追われ、追加料金が発生したり、申告がぎりぎりになったりしがちです。日々を整える役と、税務をまとめる役を分けることで、両方がうまく回ります。
二重コストにしない頼み方
「両方頼んだら費用が二重になるのでは」という心配は当然です。ここは冷静に整理しましょう。仕事が重なっていなければ、二重払いにはなりません。
ポイントは、今の税理士契約に何が含まれているかを確認することです。
- 記帳代行まで顧問料に含まれているのか
- それとも申告・決算・相談だけなのか
- 含まれている場合、その範囲と品質に満足しているか
もし記帳まで税理士に頼んでいて、それで十分回っているなら、経理代行を重ねる必要はありません。逆に、記帳は含まれていない、または含まれていても回りきっていないなら、その日次・月次部分を経理代行に切り出すのは理にかなっています。
切り分けの考え方
おすすめは、「税務」と「日々の経理」で線を引くことです。
- 申告・決算・税務判断 → 税理士に残す
- 記帳・請求・支払い・月次レポート → 経理代行に出す
こうすれば役割が重ならず、それぞれの専門に費用を払う形になります。実際にいくらかかるか、今の税理士契約と重複がないかは、現状を一度棚卸ししてみないとわかりません。
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「うちは二重コストになっていないか」「日々の経理をどこまで外に出せるか」が気になったら、まずは現状を整理するところからです。シメゴでは、いまの経理体制を一緒に見直す無料コスト診断をご用意しています。税理士契約との切り分けも含めて、無理なく回る形を一緒に考えます。
税務代理・税務書類の作成・税務相談・税務申告は税理士の独占業務です。具体的な税務判断は税理士にご相談ください。