決算代行とは?依頼できる範囲・税理士との役割分担・料金相場を実務で整理
決算期が近づくと、経理担当がいない・少ない会社ほど「この決算、外に頼めないだろうか」と考えます。そこで出てくるのが決算代行という言葉です。ただ、この言葉はかなり幅が広く、「どこまで外に出せて、どこは自社や税理士に残るのか」を勘違いしたまま依頼すると、あとで噛み合わなくなります。
結論から言えば、決算にまつわる作業のうち「数字を整える下準備」は大きく外に出せます。一方で、税務申告そのものは税理士の役割として残ります。この記事では、決算代行で依頼できる範囲、税理士との役割分担、料金の相場観を、実際の決算の流れに沿って整理します。
決算代行とは何か──「決算を丸ごと代わりにやる」ではない
決算代行とは、年に一度の決算にかかわる経理作業を、外部の事業者に任せることを指す言葉です。日々の記帳から、決算特有の整理作業、決算書のもとになる数字づくりまでを外に出す、というイメージです。
ここで最初に押さえておきたいのは、「決算代行」と一口に言っても、実際には複数の作業が束になっているという点です。決算は、ざっくり次の流れで進みます。
- 1年分の取引を記帳して残高を確定させる
- 減価償却・在庫・経過勘定などの決算整理仕訳を入れる
- 試算表から決算書(貸借対照表・損益計算書)の数字を組み立てる
- その数字をもとに税額を計算し、税務申告書を作って提出する
この1〜3までが、いわゆる決算代行で外に出せる「数字を整える」部分。そして4の税務申告は、税理士の独占業務です。ここを分けて考えるのが、決算代行を正しく使う第一歩になります。
決算代行に依頼できる範囲・できない範囲
では、具体的にどこまで頼めるのか。作業ごとに整理します。
| 作業 | 外部に依頼できるか | 補足 |
|---|---|---|
| 1年分の記帳・残高確定 | ◯ 依頼できる | 日々の記帳代行の延長 |
| 決算整理仕訳(償却・在庫・経過勘定) | ◯ 依頼できる | 決算特有の調整作業 |
| 決算書のもとになる数字づくり | ◯ 依頼できる | 試算表・内訳の整備 |
| 税務申告書の作成・提出 | × 税理士の業務 | 税理士法上の独占業務 |
| 節税・税務の個別相談 | × 税理士の業務 | 税理士に相談する領域 |
依頼できる:決算書にたどり着くまでの「数字づくり」
記帳、決算整理、内訳書のもとになる資料づくり——決算書の数字が固まるまでの実務は、経理代行・記帳代行の延長として外に出せます。ここが最も手間がかかり、かつ定型的な部分なので、外部化の効果が大きい領域です。
依頼できない:税務申告と税務相談
税額計算を含む税務申告書の作成・提出、そして節税などの個別の税務相談は、税理士にしかできません(税理士法で定められた独占業務です)。「決算代行」をうたっていても、この部分は税理士が担うか、税理士と連携して進むのが正しい形です。ここを混同したサービスには注意が必要です。
整理すると、決算代行が担うのは「申告の一歩手前まで、数字をきれいに整える」こと。最後の税務申告は税理士が握る。シメゴも、記帳・決算整理・数字づくりまでを引き受け、税務申告はお客様の顧問税理士と連携する形をとっています。
税理士との役割分担をどう組むか
決算代行を使うとき、多くの会社が気にするのが「今の税理士との関係はどうなるのか」です。実務では、次のような分担がよく機能します。
日常〜決算の数字づくりは代行、申告は税理士
日々の記帳から月次、決算整理までを決算代行(経理代行)が担い、固まった数字をもとにした税務申告は顧問税理士が担う。この分け方だと、税理士は申告という専門領域に集中でき、会社は日常の経理負担を軽くできます。
「税理士に丸ごと」との違い
税理士事務所に記帳から申告まで丸ごと頼む方法もありますが、日々の記帳や月次のスピード感は、経理実務を主戦場とする代行のほうが得意なことが多いです。「日常の経理は代行、申告は税理士」と分けることで、月次の早さと申告の正確さを両立しやすくなります。
連携をスムーズにする準備
役割を分けるなら、代行と税理士がやりとりする窓口とデータの受け渡し方を先に決めておくと、決算期に慌てません。クラウド会計で帳簿を共有しておけば、決算整理後の数字を税理士がそのまま申告に使える、という流れが作れます。
決算代行の料金相場の考え方
気になる費用ですが、決算代行の料金は「取引量・記帳を含むか・決算だけか」で大きく変わるため、ひとつの相場を出しにくいのが正直なところです。考え方だけ整理します。
料金を左右する主な要素
- 月々の取引量(仕訳の件数)——多いほど記帳の手間が増える
- 記帳から任せるか、決算整理だけか——範囲が広いほど費用は上がる
- 月次で回すか、決算期だけスポットか——継続契約かどうか
- 税務申告を含む座組か——税理士費用は別に発生する
「決算だけ安く」に潜む注意点
決算期にスポットで安く頼む形もありますが、日々の記帳が整っていないと、決算時にまとめて記帳し直す手間がかかり、結局割高になることがあります。年間を通して月次で数字を整えておくほうが、決算はむしろ軽く・安定します。金額だけでなく、「1年を通して数字が整い続ける状態か」で比べるのが賢い見方です。
シメゴの考え方:日常を整え、決算をなだらかにする
シメゴは、決算だけを切り出して請け負うのではなく、日々の記帳から月次決算までを整え、その延長で決算期の整理・数字づくりまで行う形をとっています。日常が整っていれば、決算はゼロから作る作業ではなく、積み上がった数字を締めるだけになります。
税務申告は、お客様の顧問税理士と連携して進めます。数字を整えるのはシメゴ、申告は税理士——この役割分担で、日常の経理を軽くしながら、決算と申告をなだらかにつなげます。月次を5営業日で締める運用も、この「日常を整えておく」前提から来ています(内容により前後する目安です)。
まとめ
決算代行は、決算を丸ごと肩代わりする魔法ではなく、申告の一歩手前まで数字を整える仕組みです。記帳・決算整理・数字づくりは外に出せる一方、税務申告と税務相談は税理士の領域として残ります。この線引きを理解し、「日常の経理は代行、申告は税理士」と役割を分けておけば、決算期に慌てずに済みます。
「うちの決算、どこまで外に出せて、いまの税理士とどう分担すればいいのか」。そう感じたら、まずは無料コスト診断で、いまの記帳・決算まわりの手間と、外に出せる範囲を一緒に見える化するところから始めてみてください。