経理の委託先に毎月催促しているなら|契約に書く締め日・提出物・遅れたときの扱い

経理を外に出している会社の管理部門長から、こんな相談を受けることがあります。「月次の試算表が出てくるのが毎月20日を過ぎる。こちらから催促のメールを送らないと動いてもらえない」。聞いていくと、委託契約書のどこにも「何を、いつまでに出すか」が書かれていない、という形がよくあります。
この記事では、催促が毎月続いている会社が、次の契約更新までに書面で決めておく3つのことを整理します。資料を渡す締め日、委託先が出すものと期日、どちらかが遅れたときの扱いです。社内に誰を残すかは経理を外に出したあと、社内に誰を残すかで書きました。この記事はその裏側で、委託先に約束してもらうことを扱います。
1|遅れの多くは、資料を渡す側で起きている
外注を受ける立場から、見えていることを書きます。月次が遅れる理由を順にたどると、社内から資料が届くのが遅いところに行き着く場合があります。
委託先の側は、資料が全部揃うまで締められません。届いた分から入力はしても、売上の請求書が1枚足りなければ、その月の数字は確定しない。確定しない試算表は出せないので待つ。社内から見ると、それが「委託先が遅い」に見えます。
もちろん、委託先の手が回っていないこともあります。どちらが原因かを切り分けるには、社内が資料を渡した日と、委託先が試算表を出した日の両方を記録しておくしかありません。この2つの日付を決めて残すのが、次の章で書く1つめと2つめです。
2|契約に書いておく3つのこと
決めること1 社内が資料を渡す締め日
最初に決めるのは、委託先の期日ではなく御社の期日です。たとえば「前月分の請求書・領収書・通帳の明細は、毎月5営業日目までに共有フォルダへ置く」。これが決まっていないと、委託先の期日も決めようがありません。
締め日に間に合わない資料が毎月出るなら、その資料だけ別の扱いにします。月末締め翌月20日に届く請求書があるなら、その取引だけ見込みで計上して翌月に直す、といった決め方です。どの資料が遅れがちかは、委託先に聞けば一覧にしてもらえます。
決めること2 委託先が何を、何日までに出すか
「月次の記帳」とだけ書いた契約は多いのですが、それでは何が出てきたら終わりなのかが決まりません。出してもらうものを名前で書きます。
| 出してもらうもの | 期日の書き方の例 | これがないと困ること |
|---|---|---|
| 月次の試算表(損益・貸借) | 資料の締め日から10営業日以内 | 経営会議に前月の数字を出せない |
| 売掛金・買掛金の残高一覧 | 試算表と同じ日 | 入金の遅れている取引先に気づけない |
| 未処理・質問事項のリスト | 資料の締め日から5営業日以内 | 社内が何を追加で出せばよいか分からず、確定がさらに遅れる |
表の3行めは見落とされやすい行です。委託先が資料を見て「この入金は何の代金ですか」と聞きたいことを、試算表の期日より前にまとめて出してもらう。こちらが早く答えれば、試算表の期日も守られやすくなります。
期日を「日付」でなく「締め日から何営業日」で書いておくと、1つめの決めごとと連動します。社内が遅れたら、委託先の期日も同じ日数だけ後ろにずれる。どちらの遅れなのかが書面の上で分かれます。
決めること3 どちらかが遅れたときの扱い
ここは違約金の話にしなくて構いません。書いておきたいのは、遅れそうなときに誰が、いつまでに、何を連絡するかです。
- 委託先が期日に間に合わないときは、期日の2営業日前までに理由と出せる日を連絡する
- 社内の資料が締め日に揃わないときは、揃わない資料と届く見込みの日を委託先に伝える
- 同じ遅れが3か月続いたら、双方で打ち合わせを1回持つ
3つめの行があると、催促のメールを送り続ける状態が終わります。遅れが続いた時点で、話し合いの場が契約上の手続きとして開かれるからです。
3|いまの契約書に書いていないときの進め方
いまの契約書を読み返して、3つのどれも書かれていなければ、次の更新を待たずに覚書で足す相談をしてよい段階です。持ちかけるときは、御社の締め日から先に出すと話が進みます。「こちらはこの日までに資料を出すので、試算表はこの日までにほしい」という順番です。委託先の遅れだけを責める形で始めると、1章で書いた資料の遅れの話に戻ってしまいます。
契約書のどの条項を読むかは経理の委託契約書は、金額の次にどこを読むかにまとめました。期日を足すと料金が上がると言われた場合は、見積の内訳の読み方で、どの作業に費用がかかっているかを確かめてから判断してください。
覚書を足して3か月たっても期日が守られないなら、そのときは委託先を替えることを考えてよいと思います。そこまでの記録があれば、次の委託先に何を求めるかも書き出せます。切り替えの手順は経理代行を切り替えるときにあります。
まとめ
毎月の催促が続いているなら、契約に社内が資料を渡す締め日・委託先が出すものと期日・遅れたときの連絡の仕方の3つが書かれているかを確かめてください。期日は締め日からの営業日数で書くと、遅れがどちらで起きたのかが分かれます。最初に決めるのは御社の締め日で、委託先に約束してもらうのはその次です。
参考資料・注意事項
本記事は、経理の外部委託を受ける立場から、当社への相談で見聞きした範囲をもとに整理したものです。表の期日は書き方の例で、適切な日数は取引の量や資料の形によって変わります。契約の条項の解釈は弁護士に、税務の判断は税理士にご確認ください。最終確認:2026年9月30日。
いまの委託契約に、何が書かれていないかを一緒に確かめます。
いまの契約書と、ここ数か月の資料の締め日・試算表が出た日をうかがい、決めておくべき期日を1枚にしてお返しします。当社への乗り換えを前提にしない結論でも構いません。
無料コスト診断を受ける →※本記事は、記載時点での一般的な整理であり、個別の事案について法的・税務上の判断を示すものではありません。当社では税務代理・税務書類の作成・税務相談は行いません。
