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自計化とは|メリット・デメリットと、自社でやるか外に出すかの決め方

自計化とは|メリット・デメリットと、自社でやるか外に出すかの決め方

この記事の要点

  • 自計化とは、会社が自分で会計ソフトに入力し、帳簿をつけることです。入力を税理士や記帳代行に任せる形の反対にあたります。
  • メリットは数字を早く見られること、デメリットは担当者の負担が増えることです。外に払う費用が下がるかどうかは、頼み先との契約で決まります。
  • すべて自社でやるか、すべて任せるかの二択では決めません。入力・確認・数字を読むの3つに分け、判断できる人が社内にいる工程だけを自社で持ちます。
目次
  1. 自計化とは
  2. 自計化のメリット
  3. 自計化のデメリット
  4. 自計化するか、外に出すかの決め方
  5. 自計化の進め方
  6. よくある質問
  7. 参考資料

表1 経理の持ち方の3通り(左の2列が自計化。スマートフォンでは横に送って見られます)

工程すべて自社入力は自社、確認は外入力も確認も外
入力会社会社税理士・記帳代行・経理代行
確認会社税理士・経理代行など税理士・経理代行など
数字を読む会社会社会社
決算と申告(税理士)この表とは別に決める。申告書の作成を頼む相手は、原則として税理士または税理士法人同じ同じ
向く会社入力する人と、確認の判断ができる人が、社内に別々にいる入力する人はいるが、確認の判断ができる人がいない入力する人がいない。または社長が自分で入力している

左の2列は、入力を自社でする形なので、どちらも自計化です。表1の「確認」は、仕訳が取引の中身に合っているかを確かめることと、預金や売掛金の残高を資料と合わせることを指します。以下、この3通りを順に説明します。

自計化とは

自計化は、法令で定められた用語ではありません。マネーフォワードの解説は、はっきりした定義がある言葉ではないと断ったうえで、会計事務所の顧問先の企業が、自社のパソコンで会計ソフトにデータを入力していく運用を指すと説明しています。freee の解説は、日々の経理処理を税理士に頼まず、自社で行うことと説明しています。

この記事では、会社が自分で会計ソフトに入力し、帳簿をつけることの意味で使います。領収書、請求書、通帳の動きを仕訳にして会計ソフトに登録するところまでを、自社の担当者が受け持つ形です。

記帳代行との違い

記帳代行は、領収書や通帳の写しを外に渡し、会計ソフトへの入力をしてもらうサービスです。自計化とは、入力を誰がするかが反対になります。図1に、経理の流れを5つに分けて、誰が受け持つかを並べました。

図1 自計化と記帳代行で、誰が何をするか

形証憑を集める入力確認試算表数字を読む
自計化会社会社会社(外に頼む形もある)会社(会計ソフトで出す)会社
記帳代行会社(集めて渡す)代行先契約による代行先会社

違いは入力を誰がするか。証憑を集めることと、数字を読むことは、どちらの形でも会社に残る。

記帳代行に頼める範囲と料金は、記帳代行サービスとは|会社が依頼できる範囲・料金・依頼先の選び方と記帳代行の相場と料金表|仕訳数・証憑の形・締めの回数で決まるにまとめています。

どこまで自社でやれば自計化か

この記事では、入力を自社でしていれば、確認を外に頼んでいても自計化に含めます。freee の解説も、必要に応じて税理士から記帳の指導を受けながら、自社で記帳する形を自計化として説明しています。

反対に、入力を外に任せている形は、この記事の定義では自計化ではありません。会計ソフトを自社で契約していても、仕訳を登録しているのが代行先であれば、記帳代行や経理代行を使っている形です。

この記事では、決算と申告は自計化と分けて扱います。日々の入力を自社でしていても、申告書の作成は税理士に頼む、という分け方ができます。

自計化のメリット

メリットは3つあります。3つめは、条件が付きます。

数字を早く見られる

入力を外に頼んでいると、資料を渡してから試算表が戻るまで待つことになります。自社で入力していれば、登録した時点で会計ソフトの数字が動きます。月の途中でも、売上と費用がいまどこまで積み上がっているかを把握できます。マネーフォワードと freee の解説も、業績や経営の状況をリアルタイムで把握できることを、メリットに挙げています。

ただし、見えている数字が正しいとは限りません。入力したままで確認をしていない数字は、残高が合っていないことがあります。早く見られることと、信じてよい数字であることは別です。

資金繰りの判断がしやすくなる

預金の残高、売掛金の入金予定、買掛金の支払予定が帳簿の上でそろっていると、来月の資金が足りるかどうかを自社で確かめられます。設備を買う時期や、借入を申し込む時期といった経営判断の材料になります。

外に払う費用が下がることがある

入力を自社へ移せば、頼み先の作業は減ります。それが料金にどう反映されるかは、頼み先によって違います。freee の解説は、税理士報酬を削減できることをメリットに挙げたうえで、下がる額は依頼する税理士事務所によって異なると書いています。マネーフォワードの解説は、自社で入力しても顧問料が下がらない場合があることを、デメリットの側に挙げています。

費用を理由に自計化を考えるなら、先に、いまの頼み先へ見積もりを取ってください。入力を自社へ移したら月額がいくらになるかを聞きます。入力に使う社内の時間も費用です。差し引きで比べます。

自計化のデメリット

デメリットも3つあります。

担当者の負担が増える

入力は毎月発生します。担当者が本業と兼ねていると、月末と月初に仕事が重なります。担当者が1人だけなら、その人が休んだ月は入力が止まります。簿記の知識を身につける時間も要ります。

会計ソフトと設定の費用がかかる

会計ソフトの利用料がかかります。使い始めるときは、銀行口座やクレジットカードの連携、勘定科目の設定が要ります。設定が合っていないと、仕訳の候補がずれ、直す手間が毎月かかります。

入力と確認が同じ人だと、誤りに気づきにくい

入力する人と確かめる人が同じだと、誤りを見つける機会が減ります。自分の入力を自分で見直しても、思い込みは見落としやすいと私は見ています。勘定科目や消費税の区分を取り違えたまま1年分たまると、決算の前にまとめて直すことになります。

確認を別の人に置くか、外に頼めば、この点は避けられます。マネーフォワードの解説は、反対に、経理の処理を日々行うことでミスを軽減できることを、自計化のメリットに挙げています。

税務の取扱いに迷う取引は、社内で決めない

消費税の区分や、費用にできるかどうかの判断は、自社のケースを顧問税理士にご確認ください。

表2 自計化のメリットとデメリット

メリットデメリット
数字を早く見られる(確認が済んだ数字とは限らない)担当者の負担が増える(兼務や、担当者が1人だけの場合)
資金繰りの判断がしやすくなる会計ソフトと設定の費用がかかる
外に払う費用が下がることがある(頼み先との契約による)誤りに気づきにくい(入力と確認が同じ人の場合)

自計化するか、外に出すかの決め方

私は、自計化を「すべて自社でやるか、すべて任せるか」の二択では決めません。経理を入力・確認・数字を読むの3つに分け、工程ごとに、判断できる人が社内にいるかどうかで決めます。図2の順に確かめます。

図2 自計化するか外に出すかを決める流れ

1入力を持てるか毎月、決まった日までに入力できる人がいるか。いなければ、入力から外に出す
2確認を持てるか入力した人とは別に、仕訳と残高を確かめられる人がいるか。いなければ、確認を外に出す
3数字を読む人がいるか試算表を読んで手を打つ人を決める。ここは外に出せない
結果1と2がどちらも「いる」なら、すべて自社。1だけ「いる」なら、入力は自社で確認は外。この2つが自計化。1が「いない」なら、入力も確認も外

入力と確認は、人がいる工程だけを自社で持つ。数字を読むことは、どの形でも会社に残る。

自計化が向く会社

毎月、決まった日までに入力できる人が社内にいる会社です。確認の判断ができる人も別にいれば、すべて自社で持てます。経理の担当者が入力し、経理の責任者や管理部門の長が残高と仕訳を確かめる形です。確認できる人がいない会社は、入力を自社で持ち、確認を外に頼みます。この分け方は、このあとの「入力は自社、確認は外という分け方」で説明します。

外に出すほうが向く会社

入力する人がいない会社と、社長が自分で入力している会社です。社長の時間を入力に使うと、数字を読んで手を打つ時間が減ります。

シメゴは、入力も確認も外に出す形の頼み先です。領収書・通帳・請求書をお預かりして仕訳まで代行し、月初から5営業日で締めて月次レポートを納品します。料金は月5万円(税別。ライト、仕訳数の目安100まで)からで、初月のみ導入設定費5万円がかかります。請求書発行や給与計算など、含まれる範囲はプランごとに違います。無料コスト診断で、いまの仕訳の量に合うプランと費用の目安をお返しします。

入力は自社、確認は外という分け方

入力する人はいるが、確認の判断ができる人がいない会社には、この分け方が合います。経理の担当者が1人だけの会社も、ここに入ります。入力は自社で持ち、仕訳の中身と残高の確認を、顧問の税理士や会計事務所、経理の代行会社に頼みます。担当者が1人だけの場合は、その人が休んだ月に誰が入力するかを、先に決めておきます。

クラウド会計を使うと、銀行やカードの明細が自動で入り、仕訳の候補も出るので、入力の負担は軽くなります。どこまでが自動になり、どこに人の確認が残るかは、クラウド経理とは|クラウド会計と経理代行で、自計化はどこまで進むかに書きました。

この分け方を取るときは、確認の中身を頼み先と決めておきます。仕訳を1件ずつ見てもらえるのか、残高だけを見てもらえるのか、月に何回見てもらえるのかで、任せられる範囲が変わります。

税理士に自計化を勧められたときに確かめること

顧問の税理士や会計事務所から自計化を勧められたら、返事の前に3つ確かめます。

3つめが「いない」のまま引き受けると、入力が遅れ、数字を早く見るという目的が果たせません。入力を持てないときは、入力を引き続き頼めるか、ほかの頼み先を使えるかを相談します。経理代行と税理士に分けて頼むときの線引きは、経理代行と税理士の違い|業務の線引きと、両方に頼むときの分け方で扱っています。

月次の数字で判断する目的は、自計化でなくても果たせる

入力を外に任せる形は、自計化ではありません。それでも、月次の数字が決まった日に手元へ届くなら、月次の数字で判断する目的は果たせます。月の途中の数字まで見たい場合は、自社で入力する形が合います。

自計化の進め方

自計化すると決めたら、次の順番で進めます。

  1. いまの経理を書き出す。誰が、何を、どこまでやっているか。手作業の工程と、判断が要る取引を分けます。
  2. 会計ソフトを決め、連携と初期設定を整える。顧問の税理士がいる場合は、使うソフトを先に相談します。銀行口座とクレジットカードをつなぎ、勘定科目を設定します。
  3. 毎月同じ取引から入力を始める。定額の支払や、決まった取引先への請求から、自社で登録します。
  4. 確認を誰が持つかを決める。仕訳の中身、例外の取引、残高の照合を、社内でやるか外に出すかを決めます。
  5. 月次の日程を決める。いつまでに資料をそろえ、いつ締め、誰が数字を見るかを決めます。

4つめを決めないまま始めると、入力だけが進み、月次が締まりません。締めの流れは月次決算とは?流れ・早期化のやり方と、締めが遅れる会社の共通点を参照してください。

よくある質問

自計化と記帳代行は、どちらが向いていますか

毎月、決まった日までに入力できる人が社内にいれば自計化、いなければ記帳代行が向きます。入力する人はいても確認の判断ができる人がいないときは、入力を自社で持ち、確認を外に頼む分け方があります。

自計化すると、税理士は要らなくなりますか

自計化は、日々の入力と帳簿づけを自社で持つことです。決算と申告をどうするかは、別に決めます。税理士法は、税務代理・税務書類の作成・税務相談を税理士の業務と定めています(第2条第1項)。税理士または税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、これを行えません(第52条)。申告書の作成や税務の相談を外に頼むなら、相手は原則として税理士または税理士法人です。シメゴでは、税務申告と税務相談は提携税理士が担当します。

経理代行に頼むと、自計化にはなりませんか

なりません。入力を外に任せる形だからです。シメゴも仕訳まで代行するので、シメゴに頼む形は自計化にあたりません。月次の数字を決まった日に受け取り、自社で読んで判断する目的は、この形でも果たせます。月の途中の数字まで見たい場合は、自社で入力する形が合います。

簿記の知識がなくても自計化できますか

会計ソフトが仕訳の候補を出すので、入力は始められます。候補が取引の中身に合っているかを確かめるには、勘定科目と消費税の区分の知識が要ります。知識のある人が社内にいないうちは、確認を外に頼みます。

自計化とは、入力をすべて自社でやることですか

この記事では、会社が自分で会計ソフトに入力して帳簿をつけることの意味で使っています。入力を自社でしていれば、確認を税理士などに頼んでいても自計化です。入力そのものを外に任せている形は、自計化ではありません。

この記事のまとめ

  • 自計化は、会社が自分で会計ソフトに入力し、帳簿をつけること。記帳代行とは、入力を誰がするかが反対になる。
  • メリットは数字を早く見られること。デメリットは担当者の負担と、入力と確認が同じ人だと誤りに気づきにくいこと。
  • 入力・確認・数字を読むの3つに分け、判断できる人がいる工程だけを自社で持つ。
  • 決算と申告は別に決める。申告書の作成を頼む相手は、原則として税理士または税理士法人。

参考資料

  • マネーフォワード「『自計化』って何だ?」
    https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/20635/
  • freee「自計化のメリット・デメリットとは? 導入すべきかの見極めポイントも解説!」
    https://www.freee.co.jp/kb/kb-accounting/self-paying/
  • e-Gov 法令検索「税理士法」(第2条第1項、第52条)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237
  • シメゴ「経理代行|中小企業の経理を月5万円から・5営業日で月次納品」(料金、頼める業務、役割分担)
    https://shimego.jp/

最終確認:2026年10月2日

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※本記事は、記載時点での一般的な整理であり、個別の事案について法的・税務上の判断を示すものではありません。当社では税務代理・税務書類の作成・税務相談は行いません。

浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。専門は経営管理改革とSAP財務会計(FI)。直近はSAP導入プロジェクトのPMとして、50名超のチームを率い、経理部門約30名のメンバーをまとめました。経理代行「シメゴ」を設計・運営しています。

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