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請求書処理の流れ|受領から支払・保存まで、外に出せる工程

請求書処理の流れ|受領から支払・保存まで、外に出せる工程

この記事の要点

  • 請求書処理は、受領・確認・計上・支払・保存の5工程です。期限があるのは計上と支払で、遅れの原因は手前の受領と確認にあります。
  • 詰まる原因は、請求書が届く入口がばらばらなことです。受領の窓口を1つにしてから、外に出す工程を決めます。
  • インボイスの記載事項と電子データの保存要件は、国税庁の資料で確かめます。自社のケースは顧問税理士にご確認ください。
目次
  1. 請求書処理とは
  2. 月末に詰まる工程
  3. インボイスで確かめる記載事項
  4. 保存のルール(電子帳簿保存法)
  5. 請求書処理を効率化する方法
  6. 外に出せる工程・社内に残す工程
  7. よくある質問
  8. 参考資料

取引先から届く請求書は、受け取ってから支払って保存するまでに、いくつもの人の手を通ります。月末から月初にかけて経理が詰まるときは、経理の入力の速さより先に、請求書が経理に届くまでの道のりを見ます。

この記事では、受け取った請求書の処理を5つの工程に分け、どこで止まるのか、どこまで外に出せるのかを順に整理します。自社が請求書を出す側の話は、請求書発行代行サービスとは?頼める範囲・料金・選び方で扱っています。

請求書処理とは

請求書処理とは、取引先が発行した請求書を受け取り、内容を確かめ、帳簿に載せ、代金を支払い、決められた期間保存するまでの一連の作業です。工程は次の5つに分けられます。

図1 請求書処理の5工程

1受領届いた請求書を窓口で受け、一覧に載せる
2確認記載事項と、発注・納品の事実を確かめる
3計上仕訳を入力し、買掛金や未払金を立てる
4支払振込データを作り、承認して振り込む
5保存紙かデータかに応じたルールで残す

後ろの4工程は、受領で請求書がそろってから動き出す。

受領

請求書は、郵送、メールの添付、取引先のサイトからのダウンロード、現場での手渡しと、いくつもの形で届きます。受領の工程でやることは、届いた請求書を1か所に集め、受付の一覧に載せることです。一覧には、受け取った日、取引先、金額、支払期日、登録番号の有無、内容の確認を頼んだ担当者と日付を書きます。

確認

確認には2種類あります。1つは形式の確認で、請求書に必要な事項が書かれているか、金額の計算が合っているかを見ます。もう1つは中身の確認で、発注したとおりの品物やサービスが納められ、請求された金額がその対価として正しいかを見ます。中身を確かめられるのは、発注した部門の担当者です。

計上

確認が済んだ請求書を、仕訳として会計ソフトに入力します。費用や仕入を計上し、相手科目に買掛金か未払金を立てます。消費税の区分は、相手がインボイスの登録を受けた事業者かどうかで変わります。

支払

支払期日ごとに、支払う先と金額をまとめた振込データを作ります。データは、計上した買掛金・未払金の残高と突き合わせ、承認を受けてから銀行で実行します。支払ったら、買掛金・未払金を消し込みます。

保存

支払が済んだ請求書は、税法で決められた期間、保存します。紙で受け取ったか、電子データで受け取ったかで、保存の方法が変わります。

表1 工程ごとの担当

工程やること社内に残すこと外に出せること
受領請求書を窓口に集め、受付の一覧に載せる窓口を決め、取引先へ案内する—
確認記載事項と、発注・納品の事実を確かめる請求の内容と、発注・納品との照合記載事項の形式の点検
計上仕訳を入力する—仕訳の入力
支払振込データを作り、承認して振り込む支払の承認、振込の実行振込データの作成
保存紙かデータかに応じたルールで残す—ルールに沿った保存

月末に詰まる工程

5工程のうち、日付で期限が決まっているのは計上と支払です。計上には月次の締めがあり、支払には取引先と約束した支払期日があります。経理が月末から月初に追われるのは、この2つの期限が近い時期に並ぶからです。

一方、受領と確認には期限がありません。請求書がいつ届くかは取引先の発行の時期で決まり、中身の確認は、発注した担当者の手が空いたときに行われます。どちらも経理の外で起きる作業です。月末締めで請求書を発行する取引先が重なれば、届く時期も重なります。

ここで入口がばらばらだと、経理は「今月分がそろったか」を判定できません。経理あての郵便で届くもの、担当者個人のメールに届くもの、取引先のサイトから誰かがダウンロードするもの、現場で手渡されるもの。受付の一覧がなければ、まだ届いていないのか、誰かの手元で止まっているのかの区別がつきません。

その結果、期限のない受領と確認の遅れが、期限のある計上と支払の直前に寄ってきます。詰まって見えるのは計上と支払ですが、原因は受領にあります。計上の入力を速くしても、請求書がそろわないかぎり、締めは早まりません。

インボイスで確かめる記載事項

消費税の仕入税額控除を受けるには、一定の事項を記載した帳簿と、適格請求書(インボイス)などの請求書等を保存する必要があります。取引先から交付を受ける請求書に必要な記載事項は、国税庁のタックスアンサーNo.6625で次の6つとされています。

表2 適格請求書の記載事項(取引先から交付を受ける請求書・納品書等)

記載事項確認のときに見る点
書類作成者の氏名または名称および登録番号登録番号があるか。法人番号を持つ課税事業者の番号は「T+法人番号」
取引年月日一定の期間内の取引をまとめて記載する方法も認められている
取引内容(軽減税率の対象品目である旨)軽減税率の対象品目に、記号などで印が付いているか
税率ごとに区分して合計した税込対価(または税抜対価)の額および適用税率税率ごとに合計が分かれているか
税率ごとに区分した消費税額等税率ごとの消費税額が書かれているか
書類の交付を受ける事業者の氏名または名称宛名が自社になっているか

出典:国税庁 タックスアンサーNo.6625「適格請求書等の記載事項」(令和8年4月1日現在法令等)。小売業、飲食店業、タクシー等の事業者が交付する書類は、記載事項の一部を省けます。登録番号の構成は、タックスアンサーNo.6498によります。

登録番号は、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで、登録を受けた事業者の名称などと照らし合わせられます。

インボイスの登録を受けていない事業者(免税事業者など)から受け取る請求書には、登録番号がありません。こうした事業者からの仕入れは、原則として仕入税額控除ができませんが、仕入税額相当額の一定割合を控除できる経過措置があります。国税庁のインボイスQ&A 問113(令和8年4月改訂)によると、割合は、課税仕入れを行った時期ごとに次のとおりです。

経過措置を使うには、帳簿に「経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨」を記載し、区分記載請求書等と同様の事項が書かれた請求書等を保存します。1つの免税事業者等からの仕入れの合計が、その年または事業年度で一定の金額を超える部分には、適用できません。この金額は、令和6年10月1日から令和8年9月30日までの間に開始する課税期間が税込み10億円、令和8年10月1日以後に開始する課税期間が税込み1億円です。

請求書処理の実務では、受付の一覧に書いた登録番号の有無を、計上のときの消費税の区分に使います。請求書を見直す手間が減ります。なお、基準期間の課税売上高が1億円以下などの事業者には、税込1万円未満の課税仕入れについて、令和11年9月30日まで帳簿のみの保存で控除を認める措置もあります(タックスアンサーNo.6496)。どの取扱いが当てはまるか、自社のケースは顧問税理士にご確認ください。

保存のルール(電子帳簿保存法)

メールの添付やサイトからのダウンロードなど、電子データで受け取った請求書は、電子取引にあたります。国税庁の資料によると、請求書などに相当する電子取引データを受領または交付した場合、その電子データの保存が義務付けられています。原則的な保存のルールは次の3つです。

3つめの検索には、日付または金額の範囲指定と2つの要素を組み合わせた検索ができること、または税務調査等の際に電子取引データのダウンロードの求めに応じられること、のいずれかが加わります。基準期間(2年前または2期前)の売上高が5,000万円以下の方などは、ダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索の要件を満たす必要はありません。

検索の要件は、専用のシステムがなくても満たせます。同じ資料は、表計算ソフトで索引簿を作る方法と、日付・金額・取引先の順に規則性をもたせたファイル名を付けて特定のフォルダに集める方法を挙げています。

電子データで届いた請求書を、印刷して消さない

原則的なルールへの対応が間に合わない場合の猶予措置には、条件が2つあります。ルールに従って保存できなかったことについて、所轄税務署長が相当の理由があると認めること。税務調査の際に、電子取引データのダウンロードの求めと、プリントアウトした書面の提示・提出の求めに、それぞれ応じられるようにしていること。印刷したあとも、データは残します。

紙で受け取った請求書は、紙のまま保存できます。スキャナやスマートフォンで読み取った電子データを、紙の代わりに保存する方法(スキャナ保存)も選べます。請求書は「重要書類」に区分されます。読み取るまでの期間の制限(受領してから速やかに、おおむね7営業日以内。社内の処理規程を定めている場合は、最長2か月以内の業務処理サイクルの期間を過ぎてから、おおむね7営業日以内)や、解像度200dpi相当以上での読み取りといったルールが決められています。始めるための特別な手続きは、原則として必要ありません。

保存の期間は、消費税では、請求書等を受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間です。6年目と7年目は、帳簿か請求書等のいずれか一方を保存すればよいこととされています(タックスアンサーNo.6496)。これは消費税の決まりです。法人税では、取引等に関して受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存します。青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた場合などは、10年間です(タックスアンサーNo.5930)。捨てる時期は、長いほうに合わせます。経理の業務全体でやることは、電子帳簿保存法への対応、経理のどこが変わる?中小企業がやるべきことを実務で整理にまとめています。

請求書処理を効率化する方法

課題は工程ごとにありますが、効率化の手は詰まりの原因から順に打ちます。原因は受領にあるので、最初に直すのは入口です。次に、期限のある支払の側をそろえます。入力の自動化やシステムの導入は、この2つのあとに検討します。

受領の窓口を1つにする

請求書を受け取る場所を1つに決めます。電子データは請求書専用のメールアドレスに、紙は経理あてに送ってもらうよう、取引先に案内します。担当者個人に届いたものは、その日のうちに窓口へ回すと決めておきます。

窓口に届いたものは、すべて受付の一覧に載せます。一覧があれば、毎月届くはずの請求書と照らして、届いていない先を月初のうちに洗い出せます。確認を頼んだ担当者と日付から、どこで止まっているかも分かります。

保存にも効きます。受け取った時点で、日付・金額・取引先の順に名前を付けて同じフォルダに入れれば、電子取引データの検索の要件を満たす形になります。

受け取った請求書を読み取って仕訳の候補を作るシステムを入れる場合も、順番は同じです。システムに届かない請求書は処理されません。

支払日をそろえる

支払日が取引先ごとに違うと、振込データの作成、承認、振込の実行が、月のうちに何度も発生します。支払日を月に1回か2回にそろえると、この3つの作業がその回数で済みます。

支払日が決まると、確認の締切も決められます。「支払日の何営業日前までに確認が済んだ請求書を、その回で支払う」と社内で決めれば、期限のなかった確認の工程に日付が付きます。支払日を変えると取引先の入金の時期が変わるので、変更は取引先と合意してから行います。

計上と振込データの作成を外に出したときに、いまの仕訳の量でどのプランに当たるかを知りたい場合は、無料の経理コスト診断からお知らせください。

外に出せる工程・社内に残す工程

5工程は、手順を決めれば誰がやっても同じ結果になる作業と、社内の事実や権限がないとできない作業に分かれます。前者が外に出せる工程、後者が社内に残す工程です。

図2 外に出せる作業と、社内に残す作業

手順で決まる
外に出せる
確認記載事項の形式の点検
計上仕訳の入力
支払振込データの作成
保存ルールに沿った保存
事実と権限が要る
社内に残す
受領窓口を決め、取引先へ案内する
確認請求の内容と、発注・納品との照合
支払支払の承認
支払振込の実行
前提受領の窓口を1つにし、受付の一覧を作ってから外に出す

外に出すのは手順で決まる作業。事実の照合と、お金を動かす判断は社内に残す。

発注したものが納められたかどうかは、社内の担当者しか知りません。支払の承認と振込の実行は、会社のお金を動かす行為です。振込データを作る人と、承認して実行する人を分けておくと、誤った支払や不正な支払に気づく機会が残ります。支払の業務を外に出すときの考え方は、支払代行とは|サービスの仕組みと選び方、任せてよい範囲で詳しく書いています。

入口がばらばらなまま外に出すと、委託先は届いた分しか処理できず、そろったかどうかを判定する役目は社内に残ります。

シメゴの場合、受け取った請求書にかかわる業務のうち、記帳・仕訳は3つのプランすべてに含まれます。支払管理(振込データの作成)は、スタンダード(月10万円・仕訳数の目安〜300)とフル(月15万円・仕訳数の目安〜600)に含まれます。料金は税別・月額です。電子帳簿保存法に沿った保存ルールも、あわせて整備します。税務申告と税務相談は当社では行わず、提携税理士が担当します。プランの中身はシメゴのトップページの料金表に載せています。

この記事のまとめ

  • 請求書処理は、受領・確認・計上・支払・保存の5工程。期限があるのは計上と支払。
  • 詰まりの原因は受領。窓口を1つにし、受付の一覧で「そろったか」を判定できるようにする。
  • 外に出せるのは手順で決まる作業。照合、承認、振込の実行は社内に残す。

よくある質問

請求書処理とは何ですか

取引先から届いた請求書を受け取り、内容を確かめ、仕訳を計上し、代金を支払い、保存するまでの作業です。この記事では、受領・確認・計上・支払・保存の5工程に分けています。

請求書処理は、どこまで外に出せますか

記載事項の形式の点検、仕訳の入力、振込データの作成、ルールに沿った保存は、手順を決めれば外に出せます。請求の内容と発注・納品との照合、支払の承認、振込の実行は社内に残します。

請求書処理のシステムと代行は、どう違いますか

システムは、社内の担当者が使う道具です。読み取りや入力の一部を自動化できますが、結果を確かめて直す作業は社内に残ります。代行は、作業そのものを社外の人に任せます。

参考資料

  • 国税庁 タックスアンサーNo.6625「適格請求書等の記載事項」(令和8年4月1日現在法令等)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」(令和8年4月1日現在法令等)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6498.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.6496「仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」(令和8年4月1日現在法令等)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6496.htm
  • 国税庁 タックスアンサーNo.5930「帳簿書類等の保存期間」(令和7年4月1日現在法令等)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm
  • 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問113 免税事業者等からの仕入れに係る経過措置(令和8年4月改訂)
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/113.pdf
  • 国税庁「電子取引データを適切に保存できていますか?」(令和6年11月。電子取引関係のページに掲載)
    https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0024011-003_01.pdf
  • 国税庁「はじめませんか、書類のスキャナ保存」(令和5年7月)
    https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_03.pdf
  • 国税庁「電子帳簿保存法の概要」
    https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm

最終確認:2026年10月2日

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※本記事は、記載時点での一般的な整理であり、個別の事案について法的・税務上の判断を示すものではありません。当社では税務代理・税務書類の作成・税務相談は行いません。

浅香 祐輔

この記事を書いた人

浅香 祐輔(Never Red株式会社 代表取締役)

大手コンサルティングファーム(アクセンチュア/アビーム)出身。専門は経営管理改革とSAP財務会計(FI)。直近はSAP導入プロジェクトのPMとして、50名超のチームを率い、経理部門約30名のメンバーをまとめました。経理代行「シメゴ」を設計・運営しています。

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